2015/11/23

G633の怪その2 使用感編


 Logicool G633の使用感編です。
 子供が風邪を貰っては伝染り、治った頃また子供が貰って来ては伝染り、というコンボを繰り返し、仕事も立て込んで、落ち着いてゲームもしていなかったので使用感が書くに書けず伸び伸びのなってい続編です。

見た目と装着感


 見た目はゴツいですが、つけてみると見た目の迫力よりは重くはありません。ただし見た目に反して、という但し書き付きです。リスニング用ほどの軽さはないです。
 頭頂部あたりにメッシュスポンジがあり、頭頂部が痛いということはありません。
 耳あて部分もメッシュなので微かに通気性があり、リスニング用に比べてムレにくいです。ただ反面、少し滑りやすいので急に振り向いたりすると滑ってズレる事がありました。
 これは使い込むと少しはメッシュが馴染むかもしれないですが、新品に近いとそんな感じです。
 ピカピカ光るLEDは、自分からは見えないのでまあ気にしない方向です。
 これは大会とかでチームごとに色を合わせたり、ゲームが対応していればプレイヤー死亡時に赤く切り替わる、とかそういう観客向けの演出装置なのだと思います。
 ちなみに使い続けていると左側が仄かに熱を持ちますが、熱いということはありません。

素の音質


 素の音質はざっくり最初に印象を言えば、悪くはない、という玉虫色な表現になります。
 というのも、このヘッドホンはリスニング用ではなくゲーム用というのが悩ましいところです。
 比べがちなリスニング用とは最適化された用途が異なるので、同じ尺度で測っていいか難しいと思うのです。
 強いて言えばモニター用途が近いのなかなぁと。

 聞いた印象では、同社が昔出していた2chスピーカーのZ-10に似てると思いました。
 個人的に手持ちで価格帯が似ているだろうSENNHEISERのHD558を引き合い*1に出すと、HDD558より音が近く、ドンシャリというわけではないけど低域の応答性は良いみたいでわりとドコンと鳴る、という印象。

 ただ、手元の音源を色々聞いていて、これで音楽を長時間聞いてもあまり楽しくないだろうな、というのも同時に感じました。
 飛び抜けて解像度が良いわけでもなく、伸び悩む感じもあります。
 まあ、これは1.5万~3万オーバーのヘッドホンと較べてなので、数千円のヘッドホンからのステップアップからならば下手なヘッドホンより十分いい音だと思います。
 また内蔵DACを使わない外部入力だとまた違った印象かもです。

 心地よく音楽を聞かせたいわけじゃなく、ゲーム中の音にフォーカスした製品ですので、次の項目へさっさと行きたいと思います。

 *1 日本での値段でいえばHD598が近いけど、HD558の上はHD650しか持ってないのとG633はマイクやギミックやDACなども勘定しないといけないと思うので、ヘッドホンとしての価格比較はHD558でも分が悪いかなとは思う。
 

サラウンド感


揉めに揉めたサラウンド感について。
 ネット上で手に入る効果がわかりやすいテストトーン的な音源は、Logicool自体が公開している(元はFraunhofer IISが作った何かのテスト用っぽい)ものと、Microsoftが配布している多チャンネルテスト用のファイルがあります。

Logitechのもの。
www.logitech.com/pub/techsupport/gaming/7.1auditionOutLeaderv2.zip.
Microsoftのもの。(自己展開ファイル)
http://download.microsoft.com/download/6/b/1/6b17045c-6ce8-4dc4-a3b5-2717b8711fc8/8Channel.exe

 これらを聞く感じではサラウンド感はちゃんとあります。
 ただセンターはヘッドホン特有の頭の中で鳴るような感じです。
 セリフは常にセンターから鳴る映画を見るときは少し気になるかもしれません。ただ映画を違ってゲームは発声している位置や自分の視線の方向によってセリフの発声位置が変わることが多いので、ゲーム仕様ではそこまで気にならないかなぁ。

 映画といえば、G633のAPOの設定画面…つまり、コンパネの再生デバイスのG633のプロパティの中で、Dolby Audioにすると「映画」と「音楽」というモード切替が出来ます。
 映画だと派手目に音楽だとおとなしめになるような印象です。
 LGSにはない項目なので、興味があったら触ってみるといいかもです。

 さてゲームでの使用感へ。

ゲーム中での使用感


 ゲームで幾つか試して使ってみました。
 ジャンルはもっぱらFPSです。BF4とかInsurgencyとか。
  LFEの反応がいいのでBF系はドコドコなります。一方、ゲーム中は静かでカサコソとそれこそ虫の足音を探して歩くようなInsurgencyだと、後ろに回り込んで来る敵の足音を聞くことが出来ます。
 マップ構造を覚えているならば、あそこの通路を通って回ってきてるのかな、とわかります。

 音質的にはヘッドホンの物によては迫力の低音を出そうとして妙にモゴモゴしてしまい、カソコソというか細い系の足音が聞き取りにくいのもありますが、これはそういうこともなく、いいバランスだと思います。
 ただ少し残響感があるので、そのあたり気になるかもしれません。

 自分は雰囲気を楽しむヌルゲーマーですし、insurgencyに至っては、長年の気心が知れたメンバーでCOOPをしている遊び方なので、ガチに勝ちに行く人はまた違う評価かなと思います。
 

続・分かりにくい仕様とG35


さてさて、ここでまた再びG633の分かりにくい話。
 たまにG633の話で「youtubeの5.1ch動画を見てもサラウンドに聞こえない。G35なら聞こえるのに」というのを見かけます。
 これ、youtubeは5.1chのファイルを受け付けるんですがyoutube側でダウンミックスしてしまうので、再生時は2chになってしまいます。
 5.1chのファイルを受け付けるのが罪深い感じです。

 ではでは、なぜG35ではサラウンドが聞こえるかというと、G35はDolby Pro Logic IIというのに対応しています。
 これはざっくり言うと、ステレオ音声をサラウンドに拡張したり、拡張されることを見越してステレオにダウンミックス(エンコード)した音声を再び5.1chに分解する、というものです。
 なので、youtubeの2chにダウンミックスされたサラウンド音源でもサラウンド感が出る、というわけだろうと思います。製作者が意図したサラウンド感とは違うものでしょうけれども。
 たしかRazerのサラウンドドライバにもPro版なら似たような物があったと思います。

 ところがG633はステレオ拡張的な機能はありません。
 G633の目玉機能のDTS HeadphoneXというのは「どこかの部屋で鳴っているサラウンドスピーカーセットの聞こえ方をなんやかんやで再現する」というものなので、2ch音声を入れても少し離れたところで鳴っている音になるだけです。

 5.1chや7.1chを再生できるブラウザといったら今のところWindows10のEdgeくらいかな。
 ただ説明を見るとAVアンプとかにビットストリームを流せます、という感じぽい?
 ちなみにEdgeのサラウンドデモサイトはこちら。映画の1シーンがサラウンドで見れます。
 Edgeで開かないと音が出ませんし、G633にドルビーのデコーダ機能はないのでサラウンドで鳴ってないっぽい(Dobly Audioでフロントをオフにすると消える)


 もう一つはいわゆるバイノーラル系の音源に対して「サラウンド感が出ない」というもの。
 バイノーラル系はざっくり言うと、録音時に人体もしくは人体に似せた頭部の耳の位置で録音し、再生時も同じ位置(つまりイヤホンかヘッドホン)で再生することで、録音時の聞こえ方を再現しようというものなので、これも上記の「離れたスピーカーを再現する」というの趣旨が合わず、とても相性が悪いものになります。


 ということですが、これらの特性を説明書などの解説もなくコンシューマー製品の仕様とするのはかなりユーザーに多くを求め過ぎる気がします。
 グローバルなモデルなので、個別のマニュアル制作を惜しんだのかもですが、謳っていた製品のイメージと実物の仕様に差を感じます。

ゲームと関係ない不具合


 ロジクールのゲーミングマウスを使っているのですが、マウスの拡張ボタンでツールの切替をするためにLGSにphotoshopのプロファイル入れています。
 LGSにプロファイルが入っているとG633も反応するわけですが、photoshopを起動するとき、何故かLEDが激しく明滅します。
 どうもphotoshop起動中(おそらくプラグインを読み込んでいる時)は細かくアプリケーションの切替が起こっているぽい。
 一度つけた状態でPhotoshopを起動した時、耳元が激しく明滅していたのを妻に見られて大爆笑されました。

無理矢理締める


 文中に「ゲーム用途であれば」とあるように、ゲーム用としてはわかって使うならいい機械だと思います。
 
 怖いものはより怖く、派手なものはより派手に。ゲームが楽しくなります。
 これでスターウォーズ・バトルフロントをやると楽しいかもなぁと思います。買ってませんけども。
 目下はR6:siegeのオープンβを楽しみにしております。

 ただ、これがゲーミングサラウンドヘッドホン入門機かといえばちょっと高い。
 じゃプロ用?かというと、それもちょっと違う気がします。
 個人的には楽しい機械でしたが、とらえどころが難しいですね。