リファレンス/資料画像表示ソフト「Pureref」の使い方
※この記事は「資料画像表示ソフト「Pureref」のあれこれ」を大幅に加筆修正したものです。
リファレンスを平たく日本語にすると参照や引用という意味で、イラストを描く人的に言えば何かを描くのに参考にする画像、資料用の画像ですね。
3Dだとビューの背面や板ポリに表示してモデリングのガイドにする下書きもそう呼ばれたりします。
「(作りたいものに対して)基準になる画像」的なニュアンスなんだと思います。
そんなPureRefはWin/Linux /Mac対応のドネーションウェアです。
ダウンロード時に金額は0から任意の金額が入力出来ます。気に入ったり開発を応援してくれるなら好きな金額を払ってね、という仕組みです。デフォルトは5です。
例えば0を入れるとそのままダウンロードへ移行します。それ以外ならPaypalの支払画面へと移行します。
アカウント的なものはありません。
対応形式は、BMP / DDS / GIF / ICNS / ICO / JPEG / JP2(JPEG2000) / MNG / PBM / PGM / PNG / PNM / PPM / PSD / TIFF / WEBP / XBM /XPM / TGA です。
Xnviewほどではありませんが、WEBPやJP2にも対応しているので必要十分だと思います。
(強いて言えばJPEG XRの姿がありませんが、普及度的に、まあいいかな、と)
大量の画像を素早く切り替えたり並べて表示することに特化しています。
前回作業終了時の環境をすぐに再現できること、というのも特徴です。
素早くグレイスケール表示が出来るというのもポイントが高いです。
グレイスケール化にあたっては、RGBに重みを付けてくれています。詳しい説明はここでは省きますが、「RGBの数値的には同じ明るさでも、青は暗めに見えよね、とか黄色は明るめに見えるよね、というのを考慮しますよ」という意味です。
色に惑わされずにシルエットや凹凸を見るのに使われます。
クリスタやPhotoshopで同じ結果を得るには、黒のレイヤーを上にのせてレイヤーモードをカラーにするか、クリスタの場合はレイヤーモードを「グレー」にする必要がありますので、ボタン1つで出来るのは便利です。
資料は描いているところと出来るだけ近いところのほうが、目線移動が少なくて便利です。
クリスタには資料表示用にサブビューというパレットがあります。
資料を表示したり、色を拾えたりと、とても便利な機能で最近だと反転機能も追加されました。
ただ、サブビューは画像に切替が「進む」「戻る」しかなく、画像の量が増えてくると切替が面倒になってきます。
(このあたり昔、リストで選べたり順番を入れ替えできたりしないかなと要望を出してみたのですが、わりとおまけ感がある機能なので優先度はかなり低そうです)
キャンバスは画像が端に行くと自動的に拡張されます。
そのとき、画像がリサイズされますがオリジナルのデータは保持されています。
なのでリサイズされたからといって画像の縮小されてディティールが飛ぶということはありません。
このあたりの操作感は「Mischief 」に似ています。
デフォルトでは設定ファイルpurに画像データが埋め込まれます。
なのでpurファイルをコピーするだけでwinやmacとOSや環境が変わってもデータを正しく再現出来ます。
(さすがに今は1GB未満にしています)
ショートカットは「Ctrl+Shift+P」 です。
Pureref自体に画像ダウンロード機能があります。(HTTPS対応)
ブラウザから読み込まれた画像は、自動でpurファイル埋め込み扱いになります。
またはブラウザ上で画像のコンテキストメニューを出して「画像をコピー」、その後にPureRef上でペーストしてもオッケーです。
表示されたからコードはPhotoshopなどにコピペすればオッケーです。
ロックをしない状態だとスクロール時にスペースバーを押す必要がありますが、よく見る画像を並べるとかクロップ・回転などが手軽にできるので便利、という見方も出来ます。
解決策としては
またPureRefは複数起動が出来ますので、それらを組み褪せて使うという方法もあります。
Windowsの場合は、タスクバーにあるアイコンを中クリックすればいいですが、Macの場合は「open -n -a “PureRef”」で開く必要があります。
Undo回数を減らすと、長時間使っている間の増えるメモリを抑制することが出来ますが、固定値的なメモリ消費は変わりません。
Macは…わかりません。~\library\preferences\の中にあるファイルかと思ったのですが、どうも違うみたいです。
パスはファイル名まで入れると、そのファイル名が使われます。
なのでPurファイルに画像を埋め込む際にJPGもPNG形式で保存されます。そのため、JPGのように高圧縮ファイルを配置していても、サイズが大きくなる傾向があります。
将来元の形式のまま保存する計画があるみたいですが、現時点では仕様みたいです。
そこで一旦画像をExportしてPurファイルを作り直すのが良いでしょう。
その際に、ファイル名規則を指定できます。
連番とオリジナルファイル名を組み合わせることが出来るのですが、どうも%0と%1は両方使用しないと正しく動作しないみたいです。重複上書き防止なのでしょうね。(%1単独だと連番になってしまいます)
ですが、継続的な開発のために支援して欲しいとのことなので、気に入ったら寄付を検討して上げて下さい。
(将来的にはダウンロード販売をするプランはあるみたいです)
ApplicationはPurerefがアクティブになっているときに有効になります。
GlobalはPurerefがアクティブであるとなかろうと有効になります。
windowは現在アクティブになっているPurerefウィンドウのみに有効になります。多重起動時用です。
例えばクリスタに合わせる場合は、Panを「Space+LMB」、Zoomに「Ctrl+Space+LMB」を追加で割り当てます。
なおショートカットは右の方にある+をクリックすると割り当てを追加できます。
これ厚手の大判のものでもしっかり止まるので重宝しています。
あと、同メーカーと思われるアームスタンド付きのものも見つけたので合わせて貼っておきます。
PureRef
イラストなどのリファレンス画像を表示するのに特化した画像ビューアことPureref。リファレンスを平たく日本語にすると参照や引用という意味で、イラストを描く人的に言えば何かを描くのに参考にする画像、資料用の画像ですね。
3Dだとビューの背面や板ポリに表示してモデリングのガイドにする下書きもそう呼ばれたりします。
「(作りたいものに対して)基準になる画像」的なニュアンスなんだと思います。
ダウンロード時に金額は0から任意の金額が入力出来ます。気に入ったり開発を応援してくれるなら好きな金額を払ってね、という仕組みです。デフォルトは5です。
例えば0を入れるとそのままダウンロードへ移行します。それ以外ならPaypalの支払画面へと移行します。
アカウント的なものはありません。
対応形式は、BMP / DDS / GIF / ICNS / ICO / JPEG / JP2(JPEG2000) / MNG / PBM / PGM / PNG / PNM / PPM / PSD / TIFF / WEBP / XBM /XPM / TGA です。
Xnviewほどではありませんが、WEBPやJP2にも対応しているので必要十分だと思います。
(強いて言えばJPEG XRの姿がありませんが、普及度的に、まあいいかな、と)
メリット
PureRefは画像ビューアの中ではわりと特異なUI/UX を持っています。大量の画像を素早く切り替えたり並べて表示することに特化しています。
前回作業終了時の環境をすぐに再現できること、というのも特徴です。
素早くグレイスケール表示が出来るというのもポイントが高いです。
グレイスケール化にあたっては、RGBに重みを付けてくれています。詳しい説明はここでは省きますが、「RGBの数値的には同じ明るさでも、青は暗めに見えよね、とか黄色は明るめに見えるよね、というのを考慮しますよ」という意味です。
色に惑わされずにシルエットや凹凸を見るのに使われます。
クリスタやPhotoshopで同じ結果を得るには、黒のレイヤーを上にのせてレイヤーモードをカラーにするか、クリスタの場合はレイヤーモードを「グレー」にする必要がありますので、ボタン1つで出来るのは便利です。
元画像 |
重き付け無し |
重き付け有り |
資料は描いているところと出来るだけ近いところのほうが、目線移動が少なくて便利です。
クリスタには資料表示用にサブビューというパレットがあります。
資料を表示したり、色を拾えたりと、とても便利な機能で最近だと反転機能も追加されました。
ただ、サブビューは画像に切替が「進む」「戻る」しかなく、画像の量が増えてくると切替が面倒になってきます。
(このあたり昔、リストで選べたり順番を入れ替えできたりしないかなと要望を出してみたのですが、わりとおまけ感がある機能なので優先度はかなり低そうです)
特徴
キャンバス
いわゆるWinのMassigraやMacのプレビューと大きく違うのは画像の表示の仕方だと思います。PureRefは1枚1枚の画像をページをめくるように表示するのではなく、大きなキャンバスにペタペタ貼り付けたように表示します。キャンバスは画像が端に行くと自動的に拡張されます。
画像データ
異なるサイズの画像を自動で並べる機能があります。そのとき、画像がリサイズされますがオリジナルのデータは保持されています。
なのでリサイズされたからといって画像の縮小されてディティールが飛ぶということはありません。
このあたりの操作感は「Mischief 」に似ています。
デフォルトでは設定ファイルpurに画像データが埋め込まれます。
なのでpurファイルをコピーするだけでwinやmacとOSや環境が変わってもデータを正しく再現出来ます。
多彩な機能
出来る機能を現在でざっくり列挙すると以下の通りです。(バージョン1.90)- 自由な画像配置
- オリジナルを保持した拡大縮小、回転、反転が可能
- 画像の指定箇所を切り抜き、後から範囲を変更可能
- 画像単体、キャンバス全体をグレイスケール化
- 選択画像を縦幅、横幅、全体サイズを基準にして自動で揃える
- 選択画像を名前順、追加順、形状に応じて並べるタイリング
- クリック位置のカラーコードを取得
- 画像キャンバスの透明度を変更
- マウスイベントを透過する機能
- 他準起動可能
- 複数の設定で起動可能
- アプリがフォーカスされていなくても有効になるグローバルショートカットを割り当て可能
機能 | 名称 |
---|---|
-Action- | |
すべての画像を並べてキャンバス範囲を最適化 | Pack All and Optimize |
マウスやペンの情報を無視(透過) | Transparent To Mouse |
選択画像を画面一杯に表示(オーバーレイ) | Overlay selection |
ウィンドウのサイズを選択画像に合わせる | Resize To Selection |
ウィンドウの位置を固定 | Lock Window |
カメラ(ズームや位置)をリセット | Reset Camera |
カメラのズームだけをリセット | Reset Camera Zoom |
キャンバス内の画像のロック | Lock Canvas |
キャンバスのグレイスケール化 | Grayscale |
元の画像を開く | Open Souce |
画像の拡縮アルゴリズムをバイリニアに切り替え | Toggle Bilinear Sampling |
最適な方法で配置 | Arrange Optimal |
名前で配置 | Arrange by Name |
追加順で配置 | Arrange By Addition |
左方向に整列 | Align Left |
右方向に整列 | Align Right |
上方向に整列 | Allign Top |
下方向に整列 | Allign Bottom |
重ねる | Stack |
高さで画像サイズを揃える | Normalize Height |
幅で画像サイズを揃える | Normalize Width |
幅高さで画像サイズを揃える | Normalize Size |
-Controls- | |
画像移動 | Pan |
カラーコードを表示 | Show Color code |
画像座標を表示 | show Image Coordinate |
連続選択 | Continuous Select |
画像移動 | Move Item |
縦横軸にスナップして画像を移動 | Axis Snapped Move Item |
近くの画像にスナップして画像を移動 | Neighbour Snapped Move Item |
回転 | Rotate |
一定角度で回転 | Snapped Rotate |
拡縮 | Scale |
反転 | Flip |
画像の透明度を変更 | Change Opacity |
切り抜き | Crop Selection |
切り抜き範囲を移動 | Pan Cropping |
切り抜き範囲を拡縮 | Zoom Cropping |
画像を表示枠一杯に表示 | Focus Image |
次の画像をウィンドウ一杯に表示 | Focus Next Image |
前の画像をウィンドウ一杯に表示 | Focus Previous Image |
背面に送る | Send To Back |
前面に送る | Send To Front |
画像をキャンバスから削除 | delete |
TIPS的ななにか
調子に乗って画像を突っ込みすぎて、メモリを5GBも使うPurファイルを運用していた私が送る毎度好例のTIPS的なものです。(さすがに今は1GB未満にしています)
画像を一気に敷き詰めたい/並べたい
Pack All and Optimizeを使います。ショートカットは「Ctrl+Shift+P」 です。
並べた画像を一覧したい
いくつか方法があります。- ctrl+aの後にダブルクリック。(ロック中ならロックを解除してから)
- Camera Resetを使う(ただし画像を拡縮してたりすると上手くいかないことも)
- ホイールなどでズームアウトする
特定の画像だけ整列したい
画像を複数選択後にAlignかArrange。Optimizeってなに?
キャンバスのサイズの外周余白無くし、必要な範囲に絞ることです。
拡縮や回転はどうするの?
特定のショートカットを押しながら画像をドラッグ特定の画像を素早く見たい
画像をダブルクリック。ロック中でもオッケーです。ブラウザで表示中の画像を読み込みたい
ブラウザから対象画像をD&D。Pureref自体に画像ダウンロード機能があります。(HTTPS対応)
ブラウザから読み込まれた画像は、自動でpurファイル埋め込み扱いになります。
またはブラウザ上で画像のコンテキストメニューを出して「画像をコピー」、その後にPureRef上でペーストしてもオッケーです。
PureRefキャンバスを画像として出力したい
「Save>Export>Scene」で出来ます。
PureRefを起動しているとストロークが途切れる時がある
オートセーブ機能が有効になってると、オートセーブ間隔で一瞬アクティブアプリが切り替わります。画像の色を拾いたい
Sキーを押すとカラーピッカーが表示されます。表示されたからコードはPhotoshopなどにコピペすればオッケーです。
黒枠が邪魔
customizeにあるpresetをglassにすると背景色が透明になります。グリッドを表示したい
PureRefの画像にグリッドを表示する方法ロックはしたほうがいい?
正直、好き好きだと思います。ロックをしない状態だとスクロール時にスペースバーを押す必要がありますが、よく見る画像を並べるとかクロップ・回転などが手軽にできるので便利、という見方も出来ます。
メモリを食いすぎる
大きな画像を大量に読み込んでいると、必然的にメモリ消費も増えます。解決策としては
- 大きな画像は縮小して読み込む
- Purファイルを分割する
- UNDO回数を減らす
またPureRefは複数起動が出来ますので、それらを組み褪せて使うという方法もあります。
Windowsの場合は、タスクバーにあるアイコンを中クリックすればいいですが、Macの場合は「open -n -a “PureRef”」で開く必要があります。
Undo回数を減らすと、長時間使っている間の増えるメモリを抑制することが出来ますが、固定値的なメモリ消費は変わりません。
設定ファイルはどこ?
windowsなら%appdata%\PureRef.iniです。Macは…わかりません。~\library\preferences\の中にあるファイルかと思ったのですが、どうも違うみたいです。
異なる設定で起動
コマンドラインオプションで「-s 設定ファイルのパス」と指定すると、その設定ファイルで起動します。パスはファイル名まで入れると、そのファイル名が使われます。
Purファイルが大きい
PureRefは画像は内部でPNGとして持ちます。なのでPurファイルに画像を埋め込む際にJPGもPNG形式で保存されます。そのため、JPGのように高圧縮ファイルを配置していても、サイズが大きくなる傾向があります。
将来元の形式のまま保存する計画があるみたいですが、現時点では仕様みたいです。
Purファイルが壊れたら
コマンドラインオプション「----brute-force」を付けて起動すると、壊れた部分を無視して強制的に読み込みます。そこで一旦画像をExportしてPurファイルを作り直すのが良いでしょう。
Export時のファイル名
キャンバス内の画像を一気に書き出すことが出来ます。その際に、ファイル名規則を指定できます。
連番とオリジナルファイル名を組み合わせることが出来るのですが、どうも%0と%1は両方使用しないと正しく動作しないみたいです。重複上書き防止なのでしょうね。(%1単独だと連番になってしまいます)
商用利用していいの?
金額0でダウンロードしても、現時点では商用利用しても構わないそうです。(フォーラム)ですが、継続的な開発のために支援して欲しいとのことなので、気に入ったら寄付を検討して上げて下さい。
(将来的にはダウンロード販売をするプランはあるみたいです)
キーバインドにあるShortcut Contextって?
ショートカットを割り当てるときにある、Shortcut Contextというのは、そのショートカットが有効になる状況を指定するところです。ApplicationはPurerefがアクティブになっているときに有効になります。
GlobalはPurerefがアクティブであるとなかろうと有効になります。
windowは現在アクティブになっているPurerefウィンドウのみに有効になります。多重起動時用です。
オススメのショートカット設定
普段使いのペイントソフトとキャンバス操作のショートカットを合わせておくと、混乱が少なくて良い感じだと思います。例えばクリスタに合わせる場合は、Panを「Space+LMB」、Zoomに「Ctrl+Space+LMB」を追加で割り当てます。
なおショートカットは右の方にある+をクリックすると割り当てを追加できます。
最後に
今回も、画像じゃなくてアナログな本の資料を見るとき便利な書見台で私が使っているのをペタリを貼っておきます。これ厚手の大判のものでもしっかり止まるので重宝しています。
あと、同メーカーと思われるアームスタンド付きのものも見つけたので合わせて貼っておきます。
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