iPadで長文や小説を書くのに適したテキストエディタ話(2016年版)
■ iPadで長文
ここ一年くらいiPadで文章を書くことが増えました。
特に熊本の震災時は最初の数日は電子機器はスマホとiPadだけで過ごした物です。
特に熊本の震災時は最初の数日は電子機器はスマホとiPadだけで過ごした物です。
今のiPadの性能があれば文章を書くくらいなんてことはありません。アプリも沢山あります。
メモ、Apple純正のWriter,WordやOnenote,Byword、iライターズ(iシリーズ)、iA Writer、Daedalus Touch、Wrix、エトセトラエトセトラ。
アプリをあれこれと試しては乗り換え、また出戻ったりを繰り返した感想なんかを書こうと思います。
iPhoneやiPadの有料アプリはアプリ内課金タイプでない限りお試しが出来ません。(返金制度があるにはありますが)
最近は「なろう」などで小説投稿サイトに向けて執筆する人がいたり、長文執筆需要を抱えた人がいるかもしれません、そんな人の参考に少しでもなればと思います。
アプリを見たときに重視したのは以下のことです。
上から順に優先度が高いです。
上から順に優先度が高いです。
- icloudやDropboxなどクラウドと同期が出来ること。(dropboxが望ましい)
- 基本形式がテキストファイルなこと
- 長文を読み込んでも重くならないこと
- ファイル切り替えが楽なこと
- テキストを構造化またはmarkdownのアシスト機能があること
- 連携先のPCがWin/Macどっちでもいけること
- 文字数カウント機能があること
- 全角スペースの入力にアシストがあること
- 横画面での使用に不都合無い事
- bluetoothキーボードの使用に不都合無い事(not ソフトキーボード前提)
- 文章作成メインなのでコーディングは重視しない
■ iA Writer
今のところのiPadのエディタの双璧の一つです。
書類作りも小説もどちらでも行けると思います。
書類作りも小説もどちらでも行けると思います。
dropbox対応、文字数カウント対応、検索置換対応です。
入力言語が日本語のときスペースバーを叩くと全角スペースが入力されます。
左のペインでささっとファイルを切り替える事出来き、オートセーブなので保存を気にする必要はありません。
markdown extra対応で見出しや表、画像の埋め込みなどを簡単に入力出来、整形された書面をpdf/html/docx(word形式)で出力できます。
特に気に入ってるのが「フォーカスモード」。どういうことかというと、今書いている段落以外をグレーアウトして目立たないようにしてくれる機能です。
なんか文字が詰まって重っ苦しいというとき、すっきりして良い感じです。
他に品詞解析機能というもありますけど、これは日本語では使えません。
強いて不具合を言えば、1行文字数が設定出来ないこと、長文の場合、少し重い気がするのとUndo回数がちょっと少ない気がすること。ただ長文に関しては最新のver4で「改善したよ」言っているので変わったかも知れません。
現在600円です。
■Wrix
iA Writerと双璧のもう一方です。
こちらはなんというかとってもPCライクな、ある意味秀丸チックなアプリです。
秀丸チックな環境で長文小説を書きたい人向けかなと思います。
Dropbox連携機能、文字数カウント、タブによるファイルの切り替え、定型文の挿入、検索置換、ショートカットキーの割り当て変更、1行文字数の設定が出来る、等々非常に多機能なアプリです。
全角スペースの入力も文字の挿入という機能にキーボードショートカットを割り当てることで実現できます。
かなりの長文もサクサク行けます。
アウトライン機能が搭載されました。デフォルトではmarkdown風に#で始まる行を見出しとして扱います。階層は#(見出し記号)の数で決まります。
強いての不都合は、オートセーブじゃないので複数端末を行き来すると先祖返りを起こすので、ctrl+sなどで保存する癖をつけるといいです。
このアプリは基本無料で使えますが、無料時はいくつかの機能に使用制限があります。使用制限は簡単に解除出来ますが作業の妨げに結構なりますので、操作感を確かめて気に入ったらアプリ内課金で解除すると良いと思います。
■iライターズ
ここからは一段オススメ度が下がります。
それでも挙げるこのアプリは縦書きに対応しています。
他にも縦書き表示/編集が出来るアプリはありますが、クラウド連携がなかったり横画面にたいおうしていなかったりと条件になかなか合いませんでした。(wordは除く)
それでも挙げるこのアプリは縦書きに対応しています。
他にも縦書き表示/編集が出来るアプリはありますが、クラウド連携がなかったり横画面にたいおうしていなかったりと条件になかなか合いませんでした。(wordは除く)
Dropbox対応、タブでファイルを切り替え、1行文字数の設定、検索のみに対応しています。
全角スペースの入力はツールバーより出来ます。
こうしてみると上の二つよりシンプルな機能ですが、このアプリには他にはない無二の機能があります。それが縦書き表示と独自の変換辞書の搭載です。
縦書き表示は小説を書かれる人には便利ではないでしょうか。
ただし、外部キーボードを使用していると変換候補まで縦書き(の横倒し)になってしまうため、外部キーボード入力時は確認だけに止めた方が良さそうです。これはiOSの都合でしょうね。
独自の辞書は、iOSの変換候補の上に表示されます。キーボードの場合は画面下部ですね。
OS内蔵の辞書とは違った、ちょっと変わった候補を表示するのが面白いです。
■標準のメモ
標準のメモです。
最近ではペンツールでイラストが書けるようになったりと高機能したメモです。
左のペインからさっさと書類を切り替えられます。
icloudと連携しているので、他のiOS機器やMacとも自動で同期されます。
残念ながらDropboxへの連携機能、文字カウント、markdownには対応していませんし、メモをフォルダ分けできないので複数のタイトルを章分けして管理とかは難しいです。
完全に見落としていましたが、フォルダ分け出来ました。右上のアイコンを押すともう一段ペインが開いてそこで新規フォルダを作ることが出来ます。
完全に見落としていましたが、フォルダ分け出来ました。右上のアイコンを押すともう一段ペインが開いてそこで新規フォルダを作ることが出来ます。
また全角スペースのアシストもありませんから、この方法などを使って対応する必要があります。
また1行の文字数を指定することも出来ないのもマイナスポイントですね。
それでも「標準で入ってるアプリ」というお手軽感はダントツです。
■惜しくも漏れたアプリ
- Daedalus touch コンセプトはとても良いのだけど、テキスト編集機能がもう少し欲しい。
- byword 漏れたと言うよりiA Writerと被った。機能・コンセプト的にはほぼ一緒なので好みで選べば良いと思う。
- Word 縦書き、Dropbox連携、諸々できるけどテキストファイル教なので残念ながら。最終出力がword形式という人には鉄板。
■物書きとしてのiPad
iPadもiOSバージョンを重ねる事に日本語環境の使い勝手も良くなってきて、最近ではわりとどちらでもいける口になってきました。
でも「物書きに最適なものを」という目的ありきで新規に購入を考えるのであればやはりMBAやWinのノートや2in1をオススメします。出来ることが随分違いますからね。
「手元にiPadがあるし、これを活用できてどこで執筆環境出来ないかな」というまず現物ありきの人は試してみては如何でしょうか。