iPadで長文や小説を書くのに適したテキストエディタ話(2017年版)

去年末に書いた「iPadで長文や小説を書くのに適したテキストエディタ話(2016年版)」のアップデート版になります。
新規に登場したアプリや使い勝手が大きく変わったアプリ、新しく見つけたアプリが中心になります。

今回、取り扱うアプリは次の通りです。


  • iA Writer
  • Wrix
  • Tate Pad
  • その他

iA Writer


markdownが扱えるエディタです。
去年の回でも紹介していますので、詳しくはそちらに説明を譲ります。

dropboxにも対応しており、クラウド面でも安心です。
ファイル保存は自動保存なのでPCと編集を交互にするときに、「さっきiPadで書いた(修正した)文章、保存してないからロールバックしちゃった」というのが起こり難いのもありがたいです。

去年からメジャーバージョンアップをし、画像の埋め込みができるようになったりと色々と機能が追加されました。
pdfやwordデモ書き出せるので、簡単な書類はこれ一本で書けます。
標準のメモも機能強化されて近づいてきていますが、データの取り回しの良さではまだこちらに軍配があります。

強いて言えば複数のファイルを同時に開けないのがネックですね。

このアプリは買い切りモデルで、執筆現在は600円です。


Wrix


前回もオススメしたエディタです。
こちらも去年の回でも紹介していますので、詳しくはそちらに説明を譲ります。

一言で言えばPCのエディタ並に多機能です。
今年に入ってアウトライン機能やページ機能が追加になりました。
弱点だった長文のファイル内移動が便利になり、死角がさらに減りました。

このエディタは基本的には無料で全機能が使えますが、多くの機能に制限が施されています。例えば連続して数回しか使えない(ただしホーム画面に一回戻るとリセットされる)、一定間隔待たないといけない、などです。
これらはアプリ内課金で対応した項目をアンロックすれば、無制限に使えます。
アンロックは一個が大体500円から600円。これを高いと取るか適正ととるかは評価が分かれるところです。

Dropbox v2に関するアプリ内課金や作者のレビュー運営にちょっと思うところがありますが、機能としては申し分なく、エディタとしてはオススメできる一本です。

縦書きエディタ「Tate Pad」


縦書き専門のエディタです。
前述のWrixに比べたら機能面では大きく譲りますが、縦書きのまま編集が出来るというのは一定の層には多少の機能不足は補ってあまりあると思います。
縦書きが出来るのはWrixやiA Writerなどにはない魅力です。

Dropboxなどクラウドストレージと直接やりとりをする機能はありません。ですが、インポートからiOS11から追加されたFilesアプリへアクセスできますので、ここからdropboxやonedrive,iCloud等々へアクセスが出来ます。

弱点はやはり編集機能の心許なさでしょうか。
最低でも検索置換くらいは欲しい気がします。

執筆時点で無料、アプリ内広告などもありません。

その他


今年も沢山のメモアプリ、エディタアプリが世に出ました。
たとえば「大人のメモ帳」というアプリは自動履歴保存、つまるところのバージョン管理をしてくれるエディタです。
この機能はなかなかに光る物があるのですが、エディタ部分と書き出し機能が寂しいアプリでした。

今回も外れたUlyssesは、単純に多くの機能とコンセプトがiA Writerと被るのが選外の理由です。
どちらも良いアプリですので、このあたりは好みだと思います。