リアルなハイライトや陰影色を教えてくれる「Colour Constructor」というお絵描き支援ソフト
今回は海外のお絵かき系ウェブをふらふら巡っていたら見つけたツールをご紹介してみる回です。
リアルな色って?
リアルって言葉はよく使われますが、意外と意味は人それぞれで「正確性」と取る人もいれば「現実的」と取る人もいます。ちなみに自分は「説得力、もっともらしさ」という風に受け止めています。
さて、ここでいうリアルは「物理則を再現しようとしたとある計算モデル上で正しい」という意味で、最近ゲーム界隈でよく耳する「物理ベースレンダラ」風の仕組み*1を使って、手軽に物の色を知ろうというのが「Colour Constructor」というツールです。
Gumroadというシステムを使って販売されており、Win版とMac版があります。
*1 フォーラムの作者のコメントを見るととりあえずランバート反射とかは計算しているよう。
とりあえず、実際に使用している様子の動画はこちら。
*1 フォーラムの作者のコメントを見るととりあえずランバート反射とかは計算しているよう。
とりあえず、実際に使用している様子の動画はこちら。
物理ベースレンダラ
物理ベースレンダラというのは、3Dレンダリング技術の一つで「現実世界の法則に則った色と光の関係を再現しよう」というもの。
超ざっくり言うと、物の見え方には「物に当たる光の量と、物の色となる拡散光や反射する光の総和は等しくなる」というというエネルギー保存則があります。
テカリが増えれば(見る側の能力に応じて)拡散反射は減って色は白くなる、これが色んな所に相互に働いているよ、という感じ。
この法則に従えば、少なくとも陰影の色で現実から大きく破綻した色合いになることはないよ、という話。(随分ざっくり)
物理レンダラに興味を持った方は、この動画が参考になると思いますので貼っておきます。日本語字幕オンで御覧ください。
ツールの特徴
このツールの特徴は上にも書きましたが、ものの見方を物理レンダラでサッと確認出来るという点にあります。
フリーで最近何かと話題にものぼるBlenderなども物理レンダラを搭載していますので、同じことが出来ますが、「オブジェクトを置いて、カメラを置いて、ライトを打って、マテリアルを設定して…」という手続きをふっ飛ばして、光源、物の色(アルベド)と、環境光(二つまで同時に指定可能)の色や強さを入れれば、ささっとハイライトからいわゆる映り込みの色まで提案してくれます。
サンプルオブジェクトは、マットな球、円柱、光沢のある球の3種類。
これを使うと「褐色エルフが、森の中が青い魔法陣の上の上にいる時の肌の色」みたいなのがさくっと提示されます。
サンプルオブジェクトは、マットな球、円柱、光沢のある球の3種類。
これを使うと「褐色エルフが、森の中が青い魔法陣の上の上にいる時の肌の色」みたいなのがさくっと提示されます。
露出がオーバーしていれば、パレット部分に警告が出ます。
出来た色をPNGで書き出すことも出来ます。
現時点ではacoファイルとかで書き出すとかは出来ないみたいですが、将来的にはサポートしたよう。あと、SSS*2風も再現したいようです。
*2 火が灯ったろうそくのように、半透明で光を透過しつつ一部の光が表面に再び返ってくるようなもの。人の肌なんかもこれ。
*2 火が灯ったろうそくのように、半透明で光を透過しつつ一部の光が表面に再び返ってくるようなもの。人の肌なんかもこれ。
背景描きや写実向きの人のアンチョコに
色の作り方は皆さん、自分なりの基本則やパレットをお持ちだと思います。
このツールは、なんかしっくりこないとき、比較的現実的な色使いを求めがちな背景などの色決めのお供にあると心強いツール何じゃないかなと思います。
イラスト向け類似ツール
こちらはイラストというかアニメ塗りというかエロゲ塗り、というか、いわゆるノンフォトリアルスティック向けな気がします。
「ベースの色に対して一陰はカラーサークルをこれくらい回して、彩度と輝度/明度を右下に少し…」みたいなパターンを設定して色を提案してくれるツールです。