リアルなハイライトや陰影色を教えてくれる「Colour Constructor」というお絵描き支援ソフト


 今回は海外のお絵かき系ウェブをふらふら巡っていたら見つけたツールをご紹介してみる回です。

 リアルな色って?


 リアルって言葉はよく使われますが、意外と意味は人それぞれで「正確性」と取る人もいれば「現実的」と取る人もいます。ちなみに自分は「説得力、もっともらしさ」という風に受け止めています。
 さて、ここでいうリアルは「物理則を再現しようとしたとある計算モデル上で正しい」という意味で、最近ゲーム界隈でよく耳する「物理ベースレンダラ」風の仕組み*1を使って、手軽に物の色を知ろうというのが「Colour Constructor」というツールです。
 Gumroadというシステムを使って販売されており、Win版とMac版があります。

 *1 フォーラムの作者のコメントを見るととりあえずランバート反射とかは計算しているよう。
 
 とりあえず、実際に使用している様子の動画はこちら。



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iPad Pro と Apple Pencil


 やっと届いたApple Pencil



 先日、一週間以上前に注文していたApple Pencilが届きました。
 これでようやく「高価な電子書籍ビュアー」と化していたiPad Proが本格稼働になります。




 早速開封してペアリング、そして充電。
 充電方法がアレな画像が出まわりましたが、Lightningケーブルに取り付ける変換アダプタを付けることで充電することも出来ます。

 iPad Pro直先なのは出先の緊急用じゃないかな。
 ちなみに、iPad Pro付属のLightningケーブルは長いです。iPad Pro Air2付属の倍くらいの長さがあります。

 ペンはツルッとしていて、ボタンも何もありません。「ボタンを付けて握り方を変にするな」とでも言いたげなくらいシンプルなペンの形です。
 後ろ側にLightning端子をしまうキャップがあるくらいです。このキャップはマグネットの力でカチッとくっつきます。
 充電中を示すライトもありません。充電の具合はペアリングしたiPadの通知画面で確認します。
 太さは標準的な鉛筆やシャーペンの太さななので、クリップ的なものが欲しい場合は、適当なペンのものが使えそうです。
 ちなみに自分が試したところ、ステッドラーのシャーペン式のペンホルダーのクリップとパイロットのシャーペンS3のクリップがちょうどいい具合でした。(少し広がる構造ですし)


 ペンの挙動はとても良い



 早速メモやProcreate、メディアバング・ペイントなどで試してみましたが、パームリジェクションはほぼ完璧です。
 左利きですが、誤爆はほとんどしません。
 描点がペン先にピタッとほぼ遅延なく追随すること、アクティブ系などであたまりまではありますがペン先と描画がずれないこと、カーブがガタガタにならないことなど、一世代前に出たサードパーティのBTスタイラスはなんだったんだろうという出来です。
 wacomのペンはタブレットを回転させると傾き補正の関係でかズレが大きくなったりしますが、本体を回転してもズレることがないため、紙のようにくるくる回して書くことも出来ます。
 ただし、ごく細かいところを書こうとすると稀に少し線がヨレれます。といっても1文字5mm程度の文字で書ける程度の大きさなら問題無いです。
 タッチパネルのセンサーの目の細かさがペンの精度の細かさなのでしょうか。このあたりは画面解像度とは独立した高解像度の座標を持っているwacomの電磁誘導式に一日の長があります。
 

 カーソル問題はアプリ次第


 マウスカーソルというものが存在しないiOSでは、描点がどこに描かれるかわからないという問題は、ペンの応答性とズレのなさ、ペン先とモニタまでの間のガラスが(一般的な液タブに較べて)薄いこともあり、ほぼ解消されています。
 ブラシサイズについてはアプリ次第になります。標準のメモやprocreateはブラシカーソルを表示してくれますが、メディバン・ペイントやkakooyo!はその機能がないため、消しゴムがどこまで消すのかわからないという事が起きます。
 メディアバング・ペイントにブラシカーソルが実装されないかなと願っております。

ペンの滑り



 タッチ面がツルツルで、ペン先もあまり抵抗がない感じのペン先なのでわりと滑ります。
 慣れていないとペン先が少しふらふらします。(私のことです)
 ただ私は板タブは市販の漫画原稿用紙を貼っていた上にフェルト芯を使っていて、液タブでは敢えて滑りの悪いビニールシートで画面を覆って使っているので、普段から液タブに標準芯で直書きしてる人やステンレス芯を使ってる人には違和感ないかもしれません。

 Apple Pencilはペン先の交換が可能に出来ているので、そのうちに誰かが摩擦多めの互換ペン先を作らないかなぁと思っていたりします。
 あまり摩擦が大きいと液晶面に跡が付きそうですが。

 保護シール的なもので摩擦を調節することも一瞬考えましたが、スマホやiPadのときに保護シートが操作性を悪くしていた教訓から今回は見送っています。
 まあ、iPadのときは、デレステのフリック入力が絶望的に出来なかっただけですけどね!

 スマホなんて1年以上鍵とかと一緒にポケットに入れてますが、特に傷ついていないし強化ガラスって思うほどヤワじゃないのかなと思うようにしています。

 アプリによる誤爆とか操作感の差



 メディバン・ペイントだとアプリにある「Apple Pencil>パームリジェクション」をオフの状態でも本体のパームリジェクション機能は有効です。
 ベタッと手のひらが付いているときは誤爆しないのですが、指先や手のひらが軽く触れると、ポツポツと誤爆の点々が描画されてしまいます。
 こういう時、メディバン側のパームリジェクションをオンにすると発生しなくなります。
 アプリ側のパームリジェクションをオンにすると、ブラシや消しゴムツールの時はいわゆるピンチやスワイプによるキャンバス操作が出来なくなり、サイドのツールバーの下のほうにある手のひらツールを押した時に指先でのみキャンバス操作が出来るようになり、その状態でペンを設置すると自動で前のツール(ペンや消しゴム)に切り替わります。
 自分はこれをオンで使っています。タッチ操作によるキャンバス操作の操作感と誤爆を防ぐ合理的な案だと思います。

 procreateはペンを握った手でスワイプして移動や拡大縮小の2本指アクションをしようとすると認識されないことがあります。(ペンが画面に近いことで一方のタッチがキャンセルされてる?)

 2015年12月28日追記
 procreateは設定の中にあるアプリ独自のパームリジェクトをオフにしたら治りました。
 上記を書いていた時は「詳細」に設定してた時のもの。
 この設定項目をすっかり忘れていました。

 お絵描き以外での便利さ



 お絵描き以外では点を出せるため、ブラウザでのリンクやテキストの選択がグッと楽になります。
 テキストを選択するときは「トントン」とペン先で2度ノックして左右に動かすと選択モードになります。

 あとはリモートデスクトップの操作もかなり改善されます。
 MS謹製のリモートデスクトップアプリは、あまり細かいと操作しづらいだろうということなのか、解像度決め打ちなのですが、この精度ならもっと高い解像度でも行けそうです。
 

 Surface Pro4との葛藤



 iPad Proのペンは良く出来ています。本体を買うときに実際に触って買うことが出来なかったので不安な思いもしましたが、実際はかなりいい意味で裏切られました。

 iPad ProはSurface Pro4と比較されます。サイズや重さや価格帯がぶち当たりますからね。前の記事でも書きましたが、アップル自身も講習会でその言葉が出るくらいには気にしてるご様子。
 個人的にかっちり絵を書きたいとかものを作りたいというのであれば、ぶっちゃけSurface Pro4の方が筋が良いと思います。
 なんたって使い慣れたソフトがそのまま動きます。クリスタだってAdobeソフト達だって動きます、モデルに内容によっては普段のワークフローでフィニッシュまで持ち込めます。

 モニターの発色はものの計測によると、両者はさほど変わりません。
 これがadobeRGBでの対決ならばWindowsは何かと面倒なのですがsRGBなので素直に見て良いと思います。

 自分も結構悩みました。店頭で落ち着きのないクマみたいに行ったり来たりして触りながら、頭のなかのDJが買おう辞めよか音頭とどっちを買おうか音頭を同時に回してはフェーダーを行ったり来たりさせていました。
 結果的にSurfaceはSurface Bookを待とうと落ち着けました。なんだかんだでクラムシェルはの安定感は良いです。
 Bookに関しては「入学シーズンくらいにぶつけてくるんじゃないかなぁ」みたいな話をちらりと聞きました。

 iPad Proはクリエイティブにおいては「余計なことが目に入らない出来ないZenモード的な環境でささっと作業して、次へ渡すパイプラインが構築できる」機械かなと個人的に思います。

ところで…


 ペンが届いて、記事の公開までこんなに遅れたのはノロで寝込んだため、とそれで遅れた仕事に追われたため。
 初ノロでしたが(縁起物みたいです)、嘔吐よりも夜間の腹痛のほうがしんどかったです。


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